メンタルコーチング

荷物の準備から育まれること

荷物の準備から育まれること

子どもの自立を願わない親はいないと思います。

しかし「今日から自立するわ」と突然自立するわけではありません。

毎日の親との距離間の中で、自立して自分で考えて行動するようになっていくものです。

自立に向かうには失敗は当たり前であり、親が転ばぬように先に手を回していては、いつまでも先のことを考えないものです。

サッカーへ行く準備は、子どもが全て自分自身でしていますか?

自立の一歩目は『自分で荷物は準備する』ことからはじまります。

準備をするというのは『予測能力』『責任能力』の二つのことを育んでいます。

予測能力を育む

毎週の試合の準備を自分でするのは、1日何が必要であるか近未来をシュミレーションすることです。

● 大会なのか?練習試合なのか?

● 1日なのか?半日なのか?

● 昼食は必要か?不要か?

● 水分はどの程度いるのか?

● 暑いのか?寒いのか?雨が降るのか?

● 着替えは多めに必要か?

● 参加費は必要か?

etc…

明日の試合の情報を与えたら、その全ては自分1人で用意するべきです。

また、自分で用意できるようにするために、ユニフォーム置き場や、水筒置き場、雨具置き場等、全ての置き場を子どもに理解させて、自分で必要な物を用意できるようにしていくべきです。

毎週試合をしていれば、子どもは何が必要かをシュミレーションできます。

当然子どもに任せれば、持って行くのを忘れることもあります。でも、自分が忘れて困って、初めて考えるようになるものです。

レガースを持って行くのを忘れて試合に出られない・・・それは、親の責任ではなく、自分の責任。自分が注意していなかったことの『行動と結果』を学ぶチャンスです。

それをきっかけに、二度と忘れないように考えるようにしたり、試合に出るために友達に借りることを考えるようになります。

そういう失敗から学んで初めて、予測したり考えるようになるものです。

「考えなさい!」「注意しなさい!」と言って、考えるようになったり、注意するようになるわけではないです。

考えないといけない状況にあるからこそ考えるようになるものです。

もちろん、親が準備をしてしまう気持ちもよくわかります。

忘れ物をして、指導者や友達に迷惑をかけないように…

子どもが困らないように…

あるいは、子どもに用意させると時間がかかるから。

でも結局、自分で用意させていれば、忘れなくなるし、手間もかからなくなります。

子どもが自分で荷物を用意していない場合、子どもは試合会場で自分の荷物を把握していないです。

そもそも、何を持って来ているのかわかっていないケースも多いです。

把握していないから、当然試合の帰りに荷物を忘れていることに気づかない・・・。

自分で用意していれば、いつも自分の荷物を把握しようとします。

いつから用意するかではなく、サッカーを始めたときから、自分で用意させてほしいです。

「家の子は、頼りないから・・」と感じているのは…

「子どもに、頼りないままでも大丈夫」とサポートしてしまっているからかもしれません。

たかが荷物。されど荷物。

その準備によって『先のことを予測して行動する』ということが育まれていきます。

責任能力を育む

自分でサッカーへ行く準備をすることには、責任能力が関わります。

サッカーが好きでサッカーをしたいなら、自分で準備して行きなさい。

「サッカーをしたいのはあなた自身(子ども)であり、お父さん、お母さんのためではない。」

と明確なメッセージを伝えることになります。

このメッセージを伝える事はとても大切です。例えば、

● リフティングが100回できたら、○○買って上げる・・・

● 自主練したら、ゲームしていい・・・

こう言って、モチベーションをあげることは簡単ですが、サッカーが大切なのではなく、サッカーよりゲームやご褒美が大切という間違った価値観を伝えることになります。

また、親がサッカーをさせたがっているというメッセージが伝わり『自分がやる』という意志が弱まったり、サッカーをしていれば何でも許されるという勘違いを生みます。

むしろ、親がサッカーにあれこれ言わないことによって、サッカーの時間は自分の特別なものとなります。

親のため、指導者のためではなく、自分がしたいからやっている。

『何より自分が大好きで大切なサッカーをやるために、他のことにも責任を持って取り組むようになる。』

『自由』と『責任』を理解させていくことが大切だと思います。

子どもには失敗から学ぶ権利がある

ここまで読んで頂いて、子どもが失敗して、指導者に迷惑がかかる。親として恥ずかしい。と考える必要は全くないと、ご理解頂けると思います。

手間を掛けすぎない。

我が子に手助けしたくなりますが、子どもは失敗から学ぶことの方が多いです。

小さな失敗をできるだけ重ねることによって、なぜ失敗したかを学びます。

それにより、大きな失敗をしないように考えるように育つ。

『子どもには失敗から学ぶ権利があります。』

親から見れば失敗することは目に見えているため、何も言わずに見守るには親の『我慢』が試されます。

失敗するな…

困っているな…

でも、何を学ぶかな…

そんな『心のゆとり』で見守ってあげてほしいです。

「お父さん、お母さんは、いつも応援しているよ!」そのメッセージで十分、子どもはやっていけます。