ドリブルの威力
ドリブルの怖さを育てる重要性についての岩谷篤人氏との対話。
ドリブルの威力は、奪われないというところにあるのではない。
奪われないドリブルは、守備のドリブル。
ボールを守るという意味では役立つが、攻撃には役立っていない。それはプレッシャーを与えないドリブル。
攻撃のドリブルは、抜かれたら怖いドリブル。
「抜きにくる。ヤバイ…」とプレッシャーを与えるからこそ、相手は足下に集中して、大事なスペースを空けはじめる。
ファーストタッチで取られないように安全にしてから、抜こうと思っているのは怖くない…
ファーストタッチ目から剥がしに行くドリブルをしていく。
抜きに行くドリブルというのは、スピードに乗って前にでてくるドリブル。
それをトップだけではなく、サイドバックも、ボランチもするから、相手はボールに集中して、他にスペースを空けてしまう。
パスチームに、速いプレスでスライディングしていくと、「相手は奪いに来ているヤバイ…」とプレッシャーを与える。
速くパスしようと足下を見てしまって、パスミスが起き始める。速い寄せがプレッシャーを与える。
ドリブルも速いドリブルで向かっていくからこそ、DFにプレッシャーがかかってくる。
「速い 抜いてくる ヤバイ…」とプレッシャーを感じ始めて、足下を見てしまう。
他を見る余裕がなくなる…
速いドリブルがプレッシャーを生み、スペースを空けはじめる。
ドリブルとパスで崩していく魅力的なチームになるには、ドリブルの威力をあげていく必要がある。
怖いドリブルを育成していく
ボールタッチ ・ボディーバランスだけが上手くなっても、怖いドリブルは育たないです。
「相手を抜くぞ!ねじ込むぞ!いつでも狙っているぞ!」
闘争心と速さを磨いていいくことにより、相手への怖さを生みだします。
しかし、闘争心により冷静さを失えば、意味は半減します。
ミスをなくすことに固執すれば怖さを失います。
しかし、ミスを許していても怖さを失います。
怖いドリブルへのレベルアップには、何重もの壁があり
現状のミスと怖いドリブルの未来
その合間の成長を正しく見極めて指導してあげなければ、チームスポーツというfootballの中で、選手本人だけでは超えられない壁があります。
◇ 岩谷篤人氏について
セゾンフットボールクラブ創設者・総監督。
1984年にセゾンフットボールクラブを創設。
近隣に集まる子ども達から多くのプロ選手を育て、乾貴士選手も小中高と岩谷篤人氏の指導を受けたひとり。
2001年から10年間、滋賀県立野洲高校のコーチも務め、2006年決勝戦では高校史上最も美しいゴールと呼ばれる決勝点で見事に野洲高校の日本一に貢献。
footballの魅力をピッチで存分に観せてくるそのスタイルは「セクシーフットボール」と名付けられ、、多くのファンの心を掴んだ。
育成年代の指導に関して「試合に勝つこと」「選手を育成すること」「観る者を魅了するフットボールをすること」のすべてができるスペシャルワン。
近年は全国の指導者の育成に取り組んでいます。