コンフォートゾーンから出させるために
岩谷篤人氏とスルーパスを磨くためのの対話。
スルーパスは、攻撃的なドリブルにより相手が「抜かれるかも…」「カバーしなければ…」とボールに集中し始めて、瞬間的に背後のスペースを忘れさせたタイミングで生まれます。
そのためには、急な方向転換から、攻撃的なドリブルコースを閃くことが求められます。
しかし、ジュニア年代から安全に失わないことが思考の第一優先になると、攻撃的思考に変化することが難しくなります。
変化は簡単ではない・・・
選手も変わろうと思っていても、無意識にある思考の癖を変えるのは簡単ではない・・・
ギリギリのところでは安全な思考が働く・・・
ミスしない思考がブレーキをかける・・・
人は、思考の癖に無意識に頼り、コンフォートゾーンから出ることにストレスを感じるようになります。
それを変化させるには、コンフォートゾーンにとどまることが成長を阻害していることを理解させて、自ら変化していく方向に向かわせて行く必要があります。
何を考えているかわからないように
岩谷篤人氏の指導。
ファーストタッチの時もパスの時も、常にフェイントの練習をしているのか?後ろ向いたり、横向いたり、体を捻ったり、相手の逆を取っていく。
向いている方向へのパスなんか、いつでもできる。チームで逆を取る、横に動かす。相手の思っていないところを狙っていく。動いた方向と反対を狙う。
ボールを触る前から狙っていく。
メリハリをつける。ワザとと速くする。ワザとゆっくりする。
ワザと見る。ワザと見るのは、見ていないことを考えるため。
ワザとドリブルする。嘘でしょうということを入れていく。
守備は頑張らないと、相手も上手くなってきているぞ。
次の選手がフェイクをかけれるように、パスはやさしく。
よくなりつつあるから、続けていく。
誰でもできることを、やっていても仕方がない。
普通のことをやっていても、魅力なんか出てこない。
そんなこと考えているんや。えっそこ!
何を考えているかわからないようにやっていく。
それが魅力になっていく。
変化しようと意識するからこそ変わっていく
ゲームをしている選手の選択するプレーを観察しながら、変化しはじめている選手、変化しない選手についての対話。岩谷篤人氏の選手の可能性を観る観察眼は鋭い。
無理に挑戦するからこそのミス
あいつは、さっきまでミスがなかったけど、ちょいちょい失敗しだしている。
あのミスは、無理なことをしてやろうとしているミス。
困らしてやろうがない・・・
あいつは、タッチはよくなってきている。相手の足が出てきて、引っかかるかなと思っていても、引っかからなくなっている。足とボールが離れなくなっている。
でも、頭の中に魅力が足りない・・・
イメージはできつつあるけど・・・
プレイがわかりやすい・・・正直すぎる・・・
困らしてやろうが足りない・・・
中心選手が変わらないと・・・
あいつは、あれで交わせているから変わっていかないな・・・今、こういうのがテーマと言われているのに、ああいうプレーを選んでいることに問題があると思っている。変わろうという意識がない・・・
結局、取られなければいいと思っている・・・それが全体的にある。「フェイクをかけろ、スクリーンしろ、ミスなんか関係ない」と言っているのに、失敗しないボールの持ち方をする。
それは、間違いではないけど・・・全然、頭が成長しないのかなと思っている。中心選手がそういうプレーしか選ばないとなると、全体的にそうなってしまう・・・上手いのはわかるけど、正直やな・・・壁に当たるのが目に見えている。
身体が小さい分、プレーが変わるのが早い
あいつは、身体が小さいから変わったな。
この1ヶ月以内に、この中で一番スルーパスの上手い選手になる可能性がある。身体が小さい分、プレーが変わるのが速い。引きつけてチョイと出すのはモノにしている。ゆるいスルーパスを出せる。
でも、身体が小さいから、ボールを持てる選手にならないといけない。どのぐらいまで行けるかは、もっとドリブルの力が必要になる。今のままでは、大きい相手に身体でやられる。それを凌いでボールを持てる選手になれるかどうか・・・
膝が曲がって、引っかからなくなっている
あいつは、上手くないけど、フェイントをかけようとしている。最初見た時よりかは、膝がよく曲がっているのは確か。バランス的には悪くない。可能性を持っている。
スピード出すと引っかかるのが自分でわかって、小股でじわじわと行って、キュッと方向を変えて、引っかからなくなっている。
変わるのは、人に言われて変わるわけではない…自分が変わろうと意識するからこそ変わっていく。